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インド・ニューデリーのジャワーハルラール・ネルー大にて国際関係を学んでいた留学生の記録。
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インターネット事情にまつわる個人的体験談。

(1)ワイヤレス端末

インド到着後の生活環境構築において、マットレス等の最低限の生活物資の調達の次に取り組んだ課題が、インターネット接続回線の開設であった。当初は学内の寮の二人部屋に住んだが、他の寮の一人部屋に移動、もしくは学外に部屋を調達するまでの仮住まいとの位置づけであったため、有線回線ではなく、ワイヤレス端末の利用を模索した。

寮は学内周縁部に位置し、ジャングルも近く、通信状況が悪い。そこで、比較的ましと言われるAirtelの端末を利用することにした。他には、Vodafoneやリライアンスなど、他の携帯電話業者も同様の端末を提供している。

サウス・エクステンション(South Extention)にあるAirtelのオフィスで購入手続き。携帯電話の契約時と同様、住所証明、パスポートなどの書類や顔写真が要求された。端末にはカード方式(data card)とUSBモデムの2種類がある。手軽なUSBモデムを迷わず選んだ(右写真)。端末価格はRs. 3000ほど。このほかに、月額の利用料がかかる。一定のデータ量まで定額で利用できるプラン(超過分は追加料金)と、無制限のプランがあったので、無制限を選択。税別でRs. 999。通信速度はいずれも最大64KB/sとの説明であった。

かくして、インターネット接続を手に入れた。実際に利用を開始すると、そのパフォーマンスはまさに衝撃。遅い。遅すぎる。データ転送速度は1KB/s前後でうろうろ。しばしば0に。テキストだけのメール受信も一苦労。「ナロー・バンド(narrow band)」どころではない。あまりの遅さにストレスを感じるため、精神衛生上も好ましくない。

また、暑い時期はモデムが過熱することも問題であった。 しばらく使っていると、触れないほど熱くなる。冬の現在はそのようなことはないが。

VodafoneのUSBモデムを購入した知人は1か月もたたずに解約していた。もちろん理由は接続速度の遅さである。あまりの遅さに最初は故障を疑ったらしい。

自分のケースでは、遅さの一因は場所にあった。寮の部屋は日本式で言う1階にあるが、3階にある友人の部屋で使ったときは、5KB/s前後を示していた。また、現在住むムニールカー村の部屋でも、もう少し速度が出る。瞬間最大風速的に10KB/s付近を記録することもあるが、それでも基本は一桁。しばしば0になるのも相変わらず。

寮にいる間は使い続けていたが、ネット接続の遅さおよび不安定さが悩みの種であった。ムニールカー村への移動後は、まっさきに有線接続の契約をした(後述)。とはいえ、ワイヤレスがまったく使えないとは言えない。メールの送受信だけと割り切れば、なんとかなるだろう。停電に左右されないと言う利点もある。自分も、予備および外出時用に契約を続けている。税込で月額約Rs. 1,100と、決して安くはなく、支払いに足を運ぶのも大いに煩わしいが、緊急時にネットが使えないという事態を避けるための保険料と考えている。

(2)有線「ブロードバンド」接続

ムニールカー村への移動後、有線のネット接続環境を構築した。ここではAirnetという業者が独占的にサーヴィスを提供している。同じアパートに住む知人はAirtelに問い合わせたが、Airnetの独占地域ということで断られたらしい。ちなみに、JNUの自分がいた寮の有線接続もこの業者である。

業者に電話をすると、その日のうちに部屋にスタッフが来た(郵便すら届かないところなのに、一発で来た)。アパートの屋上の既存の設備からLANケーブルを部屋まで垂らし、窓からケーブルを引く。自分のPCに接続し、設定をして、準備完了。料金プランは接続速度に応じ、64KB/sなら月Rs. 600、128KB/sならRs. 900(もう1つ下があったかもしれない)。接続速度の遅さがトラウマとなりつつあったこともあり、迷わず後者を選択した。

パフォーマンスは上々。最低でも20KB/s、調子のいいときは60KB/sくらい出ている。業者は「ブロードバンド(broad band)」を謳っているが、日本の感覚ではとてもそうは言えない。接続がダウンすることもさほど多くない(当初は全くと言っていいほどなかったが、年末以降はときどきダウンする)。ただし、停電時はアウト。

月々の料金の支払いに電話で業者を呼ばなければならない(そうしないと接続を止められる)という厄介もあるが、現在のサーヴィスには基本的に満足している。事前に超ナローバンドに馴らされていたためもあるだろうが、メールやネット閲覧を中心とした現在の利用に必要な接続速度は確保されている。

もちろん、Airtelは最大2MB/sのサーヴィスを提供しているらしい、などと聞けば、うらやましく思う。

(3)その他

以上は、個人での契約の話。JNUの学生で、このように個人でネット接続環境を持っているのはおそらく少数派と思われる。そもそもPCを持ってない学生も少なくない。

学内には各スクールや図書館にネット利用可能なPCが設置されている。自分のスクールでは、10台ほどが設置されているが、作動するのはうち4台ほど、ちゃんとネット接続ができるのは2台くらい。いずれもウィルス感染と思しき症状が見られる。図書館は30台ほどあり、こちらはメンテナンスが行われているので多くが使える状態にある。その多くがWindowsではなくLinuxを採用しているため、ウィルス感染も比較的ましな状況にある。

こういった備品のPCの他には、サイバーカフェを利用する手がある。学内にもあるし、街に出れば多くある。安いところならば、1時間Rs. 15くらいで利用できる。寮にいたころは、学外のサイバーカフェに足を運ぶ機会も多かった。

なお、学内にワイヤレス接続システム(Wi-fi)を整備するという噂がある。JNUの設備投資は「遅々として進んでいる」という印象なので、 いつになるかはわからないが、いずれは実現されるだろう。
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プロフィール
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toshi
性別:
男性
自己紹介:
2008年7月から2010年5月まで、ジャワ―ハルラール・ネルー大学留学。
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