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インド・ニューデリーのジャワーハルラール・ネルー大にて国際関係を学んでいた留学生の記録。
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道を尋ねることよりも、道を尋ねられることの方が断然多い。なぜだろう。

たとえば東京の雑踏で道を尋ねようと思ったときに、まわりに多くの人がいる中、あえて外国人風の人に尋ねようと思うだろうか。いや、ありえない(反語)。まず、その人が東京の地理に詳しいとは思わないし、言葉が通じるかどうかも懸念するだろう。

しかし、デリーで暮らす日本人の自分に、あえて道を聞く人が少なからずいる。今日(ブログ上日付の昨日)1日で2回もあった。まわりに他に人がいないならともかく、いずれもそういう場面ではない。なぜだ。ちょっと理由を考えてみた。

仮説1。外国人だと思われていない。北東部出身者と勘違いされている。インド関係者には言うまでもないことだが、ナーガーランド州やマニプル州などインド北東部の人々の顔立ちは日本人や韓国人に近い。デリーにも多く暮らしており、たとえば自分の住むアパートの向いにもたくさんいる。彼らは概して英語がうまいことが多く、彼らに言葉でサポートを受けたことも何度かある。服装などからして外国人か北東部かの判別はおよそつくはずなのだが、北東部の人と間違われているということもなくはない。

仮説2。外国人だとわかってわざと聞いている。インドの人たち(と一般化してしまうことには職業柄強い抵抗があるが)に道を聞くと、大概がんばって説明してくれる。言葉が通じなければジェスチャーを交えて、わからなければ周囲の人たちを巻き込んで、何らかの回答を示してくれる。だが、残念なことに、正確性に欠けることが多い(自分の体験上)。「わからない」と言わずに、推測で答えている場合がある。これはクラスメイト(インド人しかいない)にもしばしば感じていることだが(ただし最近は確信度合いのニュアンスをつかめるようになってきた)。そういうことを踏まえて、わからないならわからないと言う、確度の高い情報を求めて外国人にあえて聞いているという説。

仮説3。外国人なので道を聞く対象に選ばれる確率は低いが、道を尋ねる側の絶対数が多いため、道を聞かれる回数が結果的に多くなっている。要するに、外国人だから多いわけではなく(相対的には少ない)、道は尋ねるものだという文化が強いため、それなりの頻度でそういう場面に遭遇するという説。

仮説4。JNU(内、もしくは周辺)にいる外国人だから、ある程度土地に精通しており英語が通じる学生なのだろうと考えられている。地方遠征時を除けば、自分は圧倒的にJNU内もしくは周辺に生息している。したがって、自分を見てJNUの学生だと思い、道を聞いているという説。

と、思いつくままに書きだしてみたところ、考えがまとまった。おそらくは外国人か否かが問題ではなく、道を聞く人の絶対数が多く、しかもJNUの学生という推定が事例数を高めているのだろう。つまり、仮説3と仮説4の両方(これらは相反するものではない)。

考えてみると、インドでは道を聞いている人が多い。たとえばオート・リクシャーに乗っていると、その運転手が行き先を知らずに他のオートの運転手に聞くケースや、走行中にほかの車やバイク、オートの運転手が並走するオートに道を聞くことが多々ある。ちなみに、自分が自転車を運転していた時、バイクが並走してきて道を尋ねられたこともある。カーナビが普及した世界でないことは言うまでもなく、標識も十分ではないことが多い。また、尋ねる相手はいくらでもいるのだから、わからなかったら聞けばいい。斯く言う自分も先日主要政党本部をハシゴして回ったとき、場所を一切調べずにオート・リクシャーをチャーターして、自分や運転手が道を聞きながら場所を見つけて回ったものだ。

しかし、学外で聞かれることもあるし、広大な学内の地理についても自分の関係する場所以外はあまり詳しくない。正直なところ、あまり道を聞いてほしくはない。
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プロフィール
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toshi
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男性
自己紹介:
2008年7月から2010年5月まで、ジャワ―ハルラール・ネルー大学留学。
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