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インド・ニューデリーのジャワーハルラール・ネルー大にて国際関係を学んでいた留学生の記録。
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2月9日(月)

旅行最終日。前日に予定していたバックウォーター・ツアーであったが、KTDCのツアーは参加できなかった。そこでホテルのレセプションで相談したところ、ホテルがツアーの手配をしてくれるということだったので、お願いして、この日の朝に手配してもらった。半日ツアーでRs. 550。

ケーララ州のバックウォーターについて(Wikipedia)

ホテルで朝食をとり、チェック・アウトを済ませる。朝8時に来るように言われ、きっちりその時間に準備を完了させていたが、このホテルから参加するもう1組を待たされた。30分遅れで現れたのは、朝食を隣の席でとっていたインド人客一家。朝食時はなぜか旦那1人だったが、奥さんと子供も一緒に現れた。計5人の客をタクシー1台に詰め込んで出発。

途中、もう1家族と合流して、少し大きな車に移る。ここで合流したのも、夫婦に子供1人のインド人家族。しかも両家族ともムンバイーから来たらしい。てっきりこういうツアーは欧米系観光客のものと予想していたが、金持ちインド人2家族と自分たちだけという、思いがけない編成となった。

ホテルから約1時間。ずっと街並みが続いており、バックウォーターがあるような雰囲気ではなかったが、少し道沿いの構造物が少なくなったところで脇道に入ると、そこはすでにバックウォーターの世界であった。そこに小型ボートが停泊していた。ガイドが出迎えてくれた。他に客はおらず、この編成のまま、ツアーはスタートした。ボートは一見しておんぼろに見えたが中の設備はしっかり。手洗いも完備。宿泊も可能なようだ。

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ハウス・ボート

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ボートからの景色その1

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その2
 
ガイドは地元の青年。マハートマー・ガンディー大(Mahatma Gandhi University)で政治学を学び、卒業したという。流暢な英語で案内をしてくれた。ガイドとしてはキャリアが浅いらしく、初々しい感じではあったが、熱心に、丁寧にいろいろと説明してくれた。

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風景

流れの無いように見える穏やかな川を、ボートで進む。川では地元の人たちが川底の砂を取っていた。建設に使うものらしい。川底から採取し、洗う。ガイド曰く、午前中に行うこの仕事だけで、1日Rs. 500もの収入が得られるとのこと。

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砂集め1

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砂集め2

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砂集め3。あとはトラックで運ぶ

途中、停泊して川岸の店に立ち寄る。チャーイとバナナ1本。Rs. 6。店の前ではタピオカを栽培していた。 

さらに川を進み、村の暮らしの見学へ。そこにいたのは、観光ズレしていない普通の人々。観光地でありがちな、やたら愛想がよく、ものを売りつける人や、ペンをねだる子供もいない。ちなみに、このころにはツアー参加の2人の子供同士が仲良くなっていた。

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村へ

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翌日の結婚式の準備

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同じく準備。ミールス用のバナナの葉を洗っている

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ゴムの木

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地元のおじちゃんとツアー参加客。右端見切れがガイド

村の見学を終えて、ボートは出発点近くに戻る。ここでランチをとり、午後は小さなボートに乗り換えてもっと深くへ、というツアーなのだが、自分たちは半日コースのため、ここで離脱。車に乗り、ホテルへ帰る。チップも何も要求されなかった。

ホテル前に戻ってきた。空港に向かうまでまだしばらく時間があったので、昨日断念したスイーツのお店へ(Oven)。ホテルから徒歩1分。なかなかいい味だったので、調子に乗ってケーキを2つも食べてしまった。

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マンゴー・フォレストMango Forest

名残惜しいが、いざ空港へ。タイミング悪くタクシーを拾えなかったため、ホテルのレセプションで呼んでもらう。空港までRs. 500。かなり飛ばしたが、40分くらいはかかった。市街からはかなり離れている。空港前にかわいい建物があったので、レストランか何かと思ったが、実は警察署であった。写真なし。

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コーチンの空港ターミナル

帰りの航空機はキングフィッシャー利用。まずはコーチンからタミル・ナードゥ州Tamil NaduのチェンナイChennaiへ飛び、そこで乗り換え。コーチンでの搭乗時、またドライバーが問題となった。今度はダメだと言う。係員は荷物をチェック・イン(預け)しろと言うが、面倒だったので、ドライバーを諦めた。チェンナイからアーンドラ・プラデーシュ州Andhra PradeshのハイデラバードHyderabadを経由し(乗り換えなし)、デリーへ。チェンナイでは空港を出ずに、空港内のレストランで休憩だけした。

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チェンナイの空港で飲んだ地元限定ビール、ゴールデン・イーグル

今回のキングフィッシャーのフライトは、前回のゴア行きのときに比べて印象が悪い。まず、機体が古く、各座席のモニターがなかった。しかもリクライニングができない。行きのジェットは最後尾座席だからであったが、今度は全座席。これは苦痛。計3回のフライトであったが、機内食はいずれも似たような軽食。トータルでは長時間の移動なのだが、しっかりとした食事が1度もでなかった。

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機内食。これはコーチン=チェンナイ間で

午後11時過ぎ、デリー着。空港からはプリペイド・タクシー(Rs. 180)で帰宅した。

かくして、今回のカルナータカ・ケーララ遠征は無事終了した。

行ってよかったということは疑いないが、若干忙しすぎたきらいがある。マイソールにしても、バックウォーターにしても、もう少しゆったりしたかった。それに、今回はトラブルなく順調すぎるほど順調に全日程を無事消化できたが、これで途中にトラブルが何かあれば大変だ。とりわけ今回はゆっくりとした時の流れる南インドの旅であり、それにふさわしいゆとりある旅程が望ましいように思われた。
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2月8日(日)

長時間の辛いバス移動。山中で一度エンストがあり、その後(因果は不明)はギアに問題を抱えたようで、あまり速度を出せない状態になった。そのことが幸いしてか、ようやく少し眠ることができた(おそらく合計2時間くらい)。目を覚ますと、時刻は朝5時半ごろで、周囲の景色からするにすでに目的地に近いようであった。ほどなく、コーチンのバス・ターミナルに到着。乗客のほとんどはその1つ前のターミナルで降りており、最後まで残っていた乗客は自分たちと、韓国人らしき(?)観光客1人、地元客(?)1人の計4人だけになっていた。20:30出発、6:30到着で、ちょうど予定通り10時間の移動であった。

ケーララ州の最大の都市コーチン(コチ)に到着。こじんまりとした港町を予想していたが、思いのほか大きな街であった。Wikipediaによると、2001年時点で人口約60万人。

ケーララ州。マラヤーラム語が公用語
 
ターミナルでオートを拾い、予約してあるシーロード・ホテルSealord Hotelを目指す。街に蚊が多いのはさすが南国といったところか。

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バスも多い

すぐにホテル着。レセプションで予約を確認すると、またも取れていなかった。が、部屋は空いていたので、その場でチェック・イン。南インドでは24時間制のホテル(チェック・インから24時間利用できる。特定の時刻ではなく)が多いと聞いていたが、ここは通常のチェック・イン、チェック・アウトの時刻が定められたタイプであった。ということは、朝にチェック・インして翌朝までだと2日分を支払わねばならないことになるはずだが、1日分で構わないとのことであった。しかも、翌日のチェック・アウトも通常の昼のチェック・アウト時刻でよいとのこと。これは助かった。部屋も値段の割に広くて快適。テレビも冷蔵庫もホット・シャワーも完備。朝食も付いている。蚊もいない。さすが『歩き方』の「おすすめNo. 1」。難点は、ホット・シャワーの温度調節ができず、熱すぎることぐらいか。

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シーロード・ホテル

さっそくホテルで朝食。ビュッフェ形式。パンやシリアルといった通常の洋食系もあるが、ここはやはり南インド料理をチョイス。アッパムappamというパンをココナッツ系のスープにつけて食すのがとてもよかった。
 
午前は休憩し午後2時スタートのバックウォーターのツアーに参加するプランを立てていた。ホテルのすぐ近くにある州政府観光開発公団(KTDC)のオフィスを訪ねる。係員曰く、催行するかどうか不明とのこと。昼までに連絡をくれるよう頼み、ホテルへいったん戻る。

部屋に戻り、昼まで仮眠。こちらが熟睡している間に、早めに起きたO氏がKTDCで確認をしてきてくれた。なんと、今日も明日も催行はないと言う。困った。とりあえず、今日の午後は市内観光をすることにした。そのまえに、昼食も同じホテルのレストランで。

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昼のメニュー

コーチン市内の主な見どころは、島になっているフォート・コーチンFort Cochin地区にある。ホテルから徒歩でボート乗り場へ。そこからボートに乗り、フォート・コーチンへ、Rs. 2.50。安い。

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ボート乗り場

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ボート内の光景

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物流拠点としての顔

ボート乗り場を出てすぐの骨董品店で自転車を借りた。1時間Rs. 6。チャイニーズ・フィッシング・ネットChinese fishing net、聖フランシス教会Church of St. Francis、シナゴーグSynagogueを順次見学。聖フランシス教会は閉まっており、入れなかった。シナゴーグは危うく通り過ぎて見落とすところであり、さらに閉館時間ぎりぎりであったがなんとか見学できた。自転車でコーチンの風を味わいながらゆっくり見てまわれたのはなかなか良かった。

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チャイニーズ・フィッシング・ネット

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子供たち

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聖フランシス教会

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シナゴーグ

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立ち寄った美術品店で飲んだカルダモン・ティー

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この街はヤギが多い。ココナッツ食べ放題

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夕日。ボート乗り場から
 
じっくりフォート・コーチンを堪能したのち、ボートを経て、途中買い物をしてから、ホテルへ戻る。ディナーもホテル、ただし今度は屋上のレストランで。ビーフを注文してみたが、いまいちだった。その後、近くのスイーツ・ショップ、バーへのハシゴを計画したが、スイーツは閉店してしまっていたため入れず、バーで少しゆっくりしてから、ホテルに戻り就寝。
2月7日(土)

朝7時起床。すみやかに支度を整え、チェックアウト。オート・リクシャーでバス・ターミナルへ移動。バンガロールの観光はまったくできなかったが、この移動の際に州庁舎を見ることができた。

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州庁舎

バス・ターミナル近くの食堂で朝食。立食形式。周りを見渡すと、ヴァーダvadaをスープ につけて食べるのがポピュラーな朝食スタイルのようだ。O氏はマサーラー・ドーサー(Rs. 20)を、自分はオニオン・ドーサー(Rs. 23)を注文。マサーラー・ドーサーはよくある普通のドーサーに見えた。だが、自分の注文したオニオン・ドーサーは、どう見てもウタパームにしか見えない。「これがオニオン・ドーサー?」「そうだ」「ウタパームでは?」「オニオン・ドーサーだ」店員はオニオン・ドーサーだと言い張る。今でも納得はしていない。味は普通。朝食としては、少し油がきつい。やはりヴァーダがちょうどいいのだろうか。

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オニオン・ウタパーム
 
いざ、バス・ターミナルへ。とにかくでかい。全貌が把握できないほど大きい。問題は、行き先を示す文字が読めないことだ。字が丸い。カルナータカ州のカンナダ語Kannadaだと思うが、もちろん判別不可能。アルファベット表記が少ない。これは厳しいと思いながらマイソール行きのバスを探しはじめると、幸いタイミングよくマイソール行きのバスの呼び込みに遭遇。乗車するとすでに多くの座席が埋まっていた。Rs. 70くらいだったはず。最後部座席に座ると、まもなく発車。かなりボロいバス。窓を開けると空気の汚れが顔を直撃し、窓を閉めると暑くて厳しいという状況。だが、前の座席の人が窓を全開にしていたので、否応なく風を顔に受け続けた。3時間ほどでマイソール着。早くシャワーを浴びて顔と髪を洗いたいが、今夜は夜行バス移動のため、しばらくそのチャンスがない。

まずは到着したバス・ターミナルで夜行バスのチケットを確保。バス予約のシステムは思いのほか近代的。コンピューターの画面を見て、空いている座席を確認して選べる。マイソールからコーチンまででRs. 429。夜8:30発予定。それまでの時間をマイソールの市内観光に充てる。

その前に、やや早かったが、まずはランチ。バス・ターミナルの近くの食堂へ。エアコンの効いている、多少上品そうなベジ・レストラン。南インドらしいものを食べようということで、ミールスを注文(Rs. 50)。ターリーの南インド版と解釈をしている。バナナの葉が引かれているのが特徴。とりたてて印象には残っていないが、無難においしかった。O氏の注文したローズ・ミルク・シェークは着色料のものと思われる不健康そうな味で、ひどかった。こちらのバニラ・ミルク・シェークは問題なし。

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ミールス
 
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ミルク・シェーク。左がローズ、右がバニラ

マイソールは近郊まで足を延ばせばいろいろと見どころがありそうだったが、時間の制約上、『地球の歩き方』にあった市内の観光スポット3つを選び、巡ることにした。

まずはチャームンディーの丘Chamundi Hillを目指す。オート・リクシャーをひろう。価格交渉をしようとすると、メーター通りだと言う。デリーではあまりないことだ。ましてやこちらはいかにもバック・パックを背負った外国人観光客だと言うのに。行き先を告げると、麓か山頂かと聞かれる。そんなに大きな丘なのだろうか。時間の制約もあるので、山頂までと言うと、ならRs. 200だとの返事。判断の難しいところであったが、オート・リクシャーでRs. 200と言われると、高いと感じてしまう。結局、麓までにしてもらった。ちゃんとメーター通りでRs. 46。参道の入り口のようになっており、そこから階段道が山頂に向けて続く。山頂まで続く道路もあり、オートで行くことも可能。

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参道入り口
 
ひたすら階段状の山道を登った。Wikipediaによると、1,000段あるらしい。こんなに長い道とわかっていれば、オート・リクシャーで山頂まで行っていた。久々の本格的な運動に早くも息が上がる。途中、ナンディーNandiという牛の像があった。残念ながら、ありがたみはわからない。面白い牛の像にしか見えない。さらに登り、おそらく片道30分以上かかり、ようやく山頂へ。メインはチャームンデースワリー寺院Chamundeswari Temple。女神を祀るドラヴィダ形式の寺院、らしい。悲しいことに、かなり疲れており、じっくりと堪能する余裕がなかった。帰りはオート・リクシャーを拾って帰ろうと思ったが、運悪く拾えなかったので、同じ道を歩いて下山。ふくらはぎに疲労が蓄積し、足がフラフラ。日頃の運動不足を恨んだ。

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ナンディー像

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山頂のチャームンデースワリー寺院

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山頂まで車で来れる

ちょっとカフェで休憩でもしたいところだが、あまり時間がない。バスの出発まではたっぷりあるが、急がないと見学予定先の閉館時間に間に合わない。参道入り口からオート・リクシャーでマイソール宮殿Mysore Palaceへ移動。Rs. 60。

宮殿の入場料は外国人Rs. 200、インド人Rs. 20。『歩き方』にはRs. 20としか書いてないから、おそらく外国人料金は最近設定されたのだろう。料金案内版に「学生はディレクターに相談・・・」のようなことが書いてあったため、JNUの学生証を見せてみようとO氏に提案した。O氏が窓口で学生証を見せると、あっさりRs. 20になった。ただし、外国人料金にはオーディオ・ガイド料が含まれており、Rs. 20で入場した人がオーディオ・ガイドを利用したい場合はRs. 100追加でかかる。今回は時間が厳しいこともあり、オーディオ・ガイドはパスした。

展示で基本的なことを学びながら、マハーラージャの豪勢な宮殿に往時を思い描く。タージ・マハルのような現物それ自体の凄みは感じられないが、歴史を思いはせるのがここの楽しみ方だろう。見ごたえたっぷりという印象だが、今回は駆け足で通り抜けるだけになってしまった感もある。もし今後機会があれば、事前に予習をして、オーディオ・ガイドを頼りにじっくりと見て回ってみたい。

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マイソール宮殿
 
すぐ近くのシュリー・ジャヤー・チャーマラージェーンドラ美術館へ。入場料Rs. 15。お金を払ったのにチケットを渡してくれないというトラブルがあった。おそらくは向こうに悪意はない。ただのミスか勘違いか、あるいは何か障害を抱えているのだろう。マハーラージャのコレクションを展示している美術館であった。日本からの輸入品が多かったという印象はあるが、あまり関心を引かれなかった。

何とか閉館までに3個所を見てまわることができたが、後半2か所はかなりの駆け足になってしまった。とりあえず予定はこなせたという満足感と、じっくり堪能できなかった残念感が錯綜して複雑な気持ちであった。

バスの出発まで少し時間を持て余した。まず、サイバー・カフェでメールチェックなどを済ませて時間をつぶす。それでもまだ時間があったので、カフェで軽食も兼ねて一息、と思ったが、バリスタやカフェ・コーヒー・デイといったおなじみのチェーン店が見当たらない。しばらくさまよった末に、『歩き方』の欄外に載っていたロイヤル・オーキッド・メトロポールRoyal Orchid Metropoleという高級感漂うホテルのレストランへ。ディナーは7:00からということだったので、それまで1時間はカフェ・スペースでミルク・シェークを飲んでくつろぐ。7:00になってディナーを注文したのだが、なかなか料理が出てこず、バスに間に合うか際どくなってしまった。ここは時間など気にせずゆっくり楽しむところなのかもしれないが、こちらはそうはいかない。かなり待たされてからようやく出てきた料理を慌しく食した。パニール・ティッカ、クリーム系の海老のカレー、ナーン。それと自分はビール。文句なしにおいしかった。料金もお手頃。Rs. 500未満で収まったはず。ちなみに、となりの席の会話によれば、この店は『ロンリー・プラネット』の一押しらしい。客は(おそらく)みな欧米系の観光客で、大変にぎわっていた。

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ホテルのレストラン

急いで会計を済ませ、オートでバス・ターミナルへ。すぐに目的のバスを発見し、乗車。予定時刻を少し過ぎたところで出発。予約なしでも空きがあれば利用できたようだ。

今回のバスはデラックス・タイプで、座席は航空機の座席のようなタイプ。リクライニングも可能。一番前の座席を選択した。運転席とは完全に区切られていて前が壁になっているため、大胆に足をあげて伸ばすことも可能であった。おそらく、一番前はよい選択だったと思う。ただ、バスは路面の悪い道をかなりの速度で走るため、揺れが激しく、快適とは程遠い。休憩時間や客の乗降時以外は電気が消されて真っ暗になるが、ほとんど眠ることはできなかった(眠るために夕食でビールを摂取したのだが)。休憩は約2時間ごとに10分間の停車。乗客の戻りを確認せずに出発するので、注意が必要。休憩時にチケットを床に落としたままにしておいたら、係員に注意された。彼の立場も分からなくはないが、非常に不愉快であった。サーヴィス業としての意識を少しは持ってくれればと思う。
2月6日(金)

金曜日は授業が3コマあり(9:30-11:00、11:30-1:00、2;30-4:00)、1週間の中で最も忙しい。それらの授業が終わってから空港に向かうスケジュールを組んだのだが、午後の授業が延びた場合に途中で退席しなければならなくなることを懸念していた。もちろん申し出れば退席させてくれるが、できればそれは避けたいと思っていた。授業を休んで旅行、では何をするためにインドにわざわざ来ているのかわからなくなってしまうからだ。

金曜日の午後の授業は本来2:30に始まり4:00に終わる。しかし、いつものパターンでは、3:00ごろに始まり5:30ごろまで続く。それ以上延びるようなら途中で退出しなければならないと思っていた。だが、この日は幸い早めに終わった。事の経緯は不明だが、最近各教室に設置されたプロジェクターとスクリーンを利用して、教室で映画を見ようという話になっていた。しかも、研究に関するものではなく、普通の娯楽映画。そのため、授業は早めに(それでも4:30だったが)終わった。映画鑑賞は辞退して、自室に戻って旅支度を急いだ。荷造りは一通り済ませてあったが、防犯対策をしっかり施す。

午後6時、JNU正門を出発。空港までオート・リクシャーでRs. 100。旅先ではなくデリーの寒さ対策に長そでのフリースを着てきたが、それほど寒くない。今回の旅先で必要ないことは明らか。無駄な荷物を抱えてしまったと後悔。

まもなく空港着。国内線の1Bターミナル。すぐ隣で新ターミナルの建設が進んでいる。建設現場では、明らかに過剰な数の労働者が作業を行っている。現行のターミナルは、台頭する大国と言われるインドの首都の空港としては大変残念なもの。7:50のフライトまで時間があったため、構内のマク・インディアンMc Indianというファースト・フード店で休息。ベジのムンバイー・マサーラー・バーガーMumbai Masala Burgerを注文。スパイスでしっかり味付けされた野菜炒めと平たいポテト・コロッケが入っているバーガー。ちょっとスパイスがきついが、とてもおいしかった。だが、店員のサーヴィスは悪かった。コーラ、ポテトとセットでRs. 90くらいだったと思う。

ムンバイー・マサーラー・バーガー

航空会社は、行きはジェット・エアウェイズJet Airwaysを利用した。前回のゴア行きのときはデリーの国内線空港でキングフィッシャーKingfisherのカウンターが大混雑だったことが思い出された。今回、ジェットのチェック・イン・カウンターは空いており、すぐに完了。ちなみに、キングフィッシャーの方は今回も長蛇の列となっていた。セキュリティ・チェックはそれなりに混雑していたが、順調に流れており、さほど待たされなかった。キングフィッシャー以外なら出発の1時間前に空港に到着するくらいでも問題なさそうだ。セキュリティ・チェックでは、筆箱に入れてあった小型のドライバーが引っ掛かってしまった。これが認められていないことはもちろん知っており、筆箱から出してくるつもりだったのだが、つい忘れていた。係員の協議の結果、問題なしということで、意外とすんなり返してもらえた。ちなみに、ゴア行きのときも同じトラブルがあった。過去の失敗を生かせていない。

バンガロール行きの直行便。機内設備は、ゴア行きに利用したキングフィッシャーに比べるとやや貧弱。ジェットのフライト・アテンダントの地味な制服はキングフィッシャーとは対照的。金曜夜ということもあってか、ほぼ満席。このフライトでは、2点不満があった。まず、一番後ろの座席でリクライニングができないこと。もう一つは、最後尾座席とも関係して、機内食のノン・ベジが品切れで、ベジ料理しか選べなかったことであった。チケット購入時にわざわざノン・ベジ料理を指定しておいたにもかかわらず、である。自分のほうにはノン・ベジの一品があとで追加されたが、同行のO氏はそれすらなしの完全ベジ。お詫びの品なども一切なし。

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ジェットの機内食。右上が追加されたノン・ベジ。味は機内食としては良いほう。
 
出発はやや遅れたが、フライト自体は順調。予定より若干遅れて午後11時ごろ、バンガロール着。空港はとてもきれい。きれいに磨かれた床のタイルに壁の模様が映っているほど(デリー生活では見た記憶がない光景)。ターミナルを出て、タクシーを探す。慣習的にプリペイドのカウンターを探す。タクシーのカウンターで聞くと、直接タクシーのところに行けという。声をかけてくる運転手もいるが、多くのインド人(と思しき)客は呼び込みに目もくれずにタクシー待ちの列に並ぶ。カウンターで指示された場所だ。その列に並ぶ。数名の係員が手際よくタクシーと乗客をさばいている。係員に行き先を告げると、係員はメモを取り、運転手に行き先を告げる。料金はメーターどおりで後払いのようだ。車種はわからないが、タタの普通乗用車。アンバサダーではない。とても新しい車のようで、快適であった。メーター通りの適正価格で、きれいな車を利用できるのだから、ここに人が集中するのもわかる。

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バンガロールの空港のロビー

市街は空港から離れていた。きれいに整備された道を、タクシーが猛スピードで進む。道路の流れが全般的に速かったが、とりわけ速いタクシーだった。速度は100km/hほどまで出ていた。空港から市街中心地のホテルまで約40km、料金はRs. 600弱。

市街中心地のMGロードにある、ホテル・エンパイアHotel Empire。レセプションと思しきところを訪ねると、そこは併設のレストランのカウンターであった。ちなみに、南インドではホテルhotelという語がレストランのことも意味する。レストランではなく部屋のほうの意味でのホテルのレセプションに行き、予約を確認するが、予約はないと言う。調べてもらうと、このホテルはいくつか支店があり、予約してあったのは市内の他の支店であった。さっそくオート・リクシャーで移動。距離がわからなかったため向こうの言い値でRs. 50払う。結果的には払いすぎだった。すぐに予約してあるほうのホテル・エンパイアに到着。ここも先の支店と同じく、地上階がレストランになっていた。

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ホテル・エンパイア。深夜なのに人でにぎわう

チェック・インを済ませ、併設のレストランで軽めの夕食。チキン・ドーサー(chicken dosa, Rs. 90)、レモン・ミント・ライム・ソーダを注文。チキン・ドーサーは、いかにも南部の味。ココナッツの風味豊か。ただ、やや辛すぎ。ソーダのほうはまったく予想外の品が出てきた。ミントやライムで軽く風味をプラスされたソーダを期待していたが、出てきたのは青汁らしき飲み物。大量のミントを砕いた、いわばミント青汁。ミントの風味自体はもちろん悪くないが、いかんせん葉っぱを砕いた青汁であり、おいしいとは言い難い。スパイスをふんだんに使うことがインドの人々にとっての贅沢であるという私の仮説が正しければ、彼らにとってこれは最高に贅沢な飲み物なのかもしれない。

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目玉料理のチキン・ドーサー
 
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ミント青汁

このとき、すでに夜12時を過ぎていたが、レストランには多くの客がおり、ダーバー形式になっている外の売店(基本的にレストランと同じメニューを提供)にも多くの客がいた(バナナ・ミルク・シェイクを注文した)。バンガロールの人たちは夜更かしする傾向があるのだろうか。この街出身のクラスメイトがいるので、聞いてみたいものだ。

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ホテル外に設けられた立食式のレストラン(?)

部屋に戻り、シャワーを浴び、就寝。このホテルは、部屋も十分広く清潔であったが、お湯が出ない(もっと待てば出たのかもしれないが)、空調か何かわからないが機械の騒音がうるさいという欠点があった。
インド南部、カルナータカ州(Karnataka)のバンガロール(Bangalore)とマイソール(Mysore)、およびケーララ州(Kerala)のコーチン(Cochin、あるいはコチKochi)を巡った今回の旅行。

週末(土日)と授業のない月曜を最大限に利用すべく、金曜夜から月曜夜までの2泊4日のハード・スケジュールを組んだ。

2月6日(金)
デリー→[空路]→バンガロール
バンガロール泊


2月7日(土)
バンガロール→[バス]→マイソール
マイソール市内観光
マイソール→[夜行バス]→コーチン


2月8日(日)
朝、コーチン着
コーチン市内観光
コーチン泊


2月7日(月)
バックウォーター観光@コーチン
コーチン→[空路]→デリー


なお、今回の旅行記は旅から戻った後に記憶だけをたよりに書きだしたものであり、細かいデータ(時間や金額)は不確かである。
サフダルジャン・エンクレイヴ内の、ディア・パーク前のマーケット。こういう言い回しをしないとオート・リクシャーの運転手に伝わらない、面倒なマーケット(正式にはLocal Commercial Complexというらしい)。デリー在住日本人なら、「大和屋のあるマーケット」で通じる。

今日のランチに、そのマーケットの一角にあるレストラン、イッツ・グリーク・トゥ・ミーIt's Greek to Meを訪れた。名前のとおり(?)のギリシア料理レストラン。「これでインディア」によると、ギリシアに長年住んでいたインド人がシェフをしているらしい。

料理の味、雰囲気、サーヴィスともに優れた貴重な店だと思っているのだが、客入りが悪く、経営が心配になる。12:30に来た時にほかの客がいないのは理解できる(ランチには早すぎる)が、1:30まで次の客も現れなかった。前回初めて来た時も閑散としていた記憶がある。幸い、今日はその後2組の客が来ていたが。

今回はランチということもあって、軽めに。つまみとしてフィッシュ・フィンガー(fish finger;魚の切り身をパン粉で揚げたものを一般にこう言うらしい。アメリカ英語ならfish stick)、メインにペンネ。前回もそうだったが、パスタ1皿の量が多く、それだけでも食べきれないほど。2品とも上々の味。ペンネに添えられたパンもおいしい。

前回唯一不満だったのが、ビール。妙に安っぽい素材のグラスを使用しており、そのせいかどうかわからないが、味も悪く感じられた。今回は、まともな素材のものに改善されていた。原価Rs. 35のキング・フィッシャー・ビールにRs. 195は取りすぎな気もするが。そもそもビールを注文するべき場所ではないのかもしれないが。

価格帯としては、中級から高級にかけて。パスタだけならRs. 500くらいで済ませることもできるが、しっかりコースで食べて、しかもシーフードのメインを入れたりすると、ドリンク抜きでRs. 2,000くらいまで達してしまうだろう。もちろんワインなどを頼めばさらに高くなる。

昨日深夜、南インドの旅から戻った。

明けて今日(10日)は、学生組織による全学ストライキ。旅の後片付けや休養ができるという点では幸いだが、このことが事前にわかっていればもう1日ケーララに滞在できたのに、という残念さもある。

そんな今日、個人的に、ちょっとした事件があった。
先日、ユースフ・サラーイ(Yusuf Sarai)のカルナータカ(Karnataka)という南インドレストランを訪れた。南インドの州名そのままの、わかりやすい店名である。

この記事を執筆している24時間後には、カルナータカ州の州都、バンガロール(Bangalore)にいる予定となっている。通りすがりのレストランに足を踏み入れたのには、旅行前の予備学習という思いがあった。

メニュー構成は南アジア料理レストランによくあるもの。ドーサー、ウッタパムなど。大層悩んだ挙句、結局のところ一番シンプルな南インド風ターリーを注文した。Rs. 70。

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味は普通。とくに特徴なし。よくある通常のターリー。ただし、写真右に並ぶ汁物の1つ(一番奥)は、ココナッツをふんだんに使い、南アジアな雰囲気があり、味もよかった。

デリーの南アジア料理レストランということで言えば、コンノート・プレイスのサラヴァナ・バヴァン(Saravana Bhavan)のターリーのほうが好み。
2月上旬、早くも暑い。最高気温はまだ30℃未満なのだが、直射日光を浴びると、体感ではかなりの暑さになる。にもかかわらず、朝夕はしっかり冷えるので、服装が難しい。一日の温度変化が20℃近くにもなるという環境は、日本ではあまりないように思う。

 
 

今日は所属のセンターで研究会が行われた。自分の現在の研究テーマとは違うが、関連するテーマであり、非常に興味深かった。

もちろん、写真は何ら関係ない。寮の前の広場を通過していた牛の群れを撮影したものである。

以下、研究会メモ。
パニール・ブジヤー(Paneer Bhujiya)。パニールと玉ねぎを中心としたいたってシンプルな炒め物。スパイスの存在感は控え目で、油と塩を基調とする地味な味付け。目下、好きなインド料理の1つである。

外で食べるパニール・ブジヤーの味の再現してみたいと思い、過去にも自室で一度試みたが、いまいちであった(記事なし)。そのときは、「何かが足らない」ことはわかるのだが、「何が足らない」のかはわからなかった。そして、今回再度挑戦して、ようやく納得のいく味を再現できた。

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写真ではずいぶん白く見えるが、実物は唐辛子の色の移った油がしっかりまわり、パニールは黄色く色づいている。

前回との最たる違いは、油。前回は植物油を使用していたが、足らない「何か」はここにあった。おそらく、店ではギー(Ghee)を使っている。経験値を積むにつれ、パニール・ブジヤーに限らず、おいしいと感じるインド料理の多くにギーが使われていることを学んだ。同時に、それがこちらの人々の肥満の原因であろうことも知った。自分の憶測では、こちらの比較的豊かな人々に肥満体形が蔓延している理由の1つに、ギーの多用があると考えている。

この留学生活で減少した体重をもとに戻したくないという事情もあって(残念ながら戻りつつあるが)、ギーを持っていなかったため、植物油にバターを溶かして代用した。

店によってはグリーン・ピースやトマト(?)が加わるが、今回の具はパニールと玉ねぎだけでシンプルに。味付けはバターと塩が基本だが、赤唐辛子も欠かせない(フレーク状のものを使用)。スパイスは少量のクミン・シードとガラム・マサーラーを使用した。

[追記]

後で、ウェブ上にレシピを発見した。

http://halkaphulka.com/main/modules/recette/article.php?storyid=269

http://www.recipes.keralaz.info/paneer-recipes/Paneer-Bhujia.shtm

いずれもトマトを使用している。
スパイスに関しては、クミン・シードとガラム・マサーラーは正解のようだが、これに加えてターメリック(Haldi)も使用しているようだ。


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2008年7月から2010年5月まで、ジャワ―ハルラール・ネルー大学留学。
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