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インド・ニューデリーのジャワーハルラール・ネルー大にて国際関係を学んでいた留学生の記録。
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【備忘録的エントリ】

2010年7月現在、観光ビザ等でインドに入国する場合、一度インドを出国すると、2ヶ月以内は原則的に再入国できないというルールがある。今年1月に導入された新しいルールだ。頻繁にインドを訪れる必要がある我々にとっては、非常に面倒なルールだ。特別許可を得れば2ヶ月以内の再入国も可能であり、東京のインドビザセンターでは(2ヶ月以内の再入国を諦めるのではなく)特別許可を得るように推奨しているように見受けられた。しかし、わざわざアポイントメントをとって大使館を訪れ、面談をうけるのは実に厄介な話である。

6月に取得した自分の観光ビザを見ると、確かに次のような但し書きが印刷されている。
「前回のインドからの出国から2ヶ月以内の2度目の入国に対しては、有効でない」
同じ観光ビザで2ヶ月以内に再入国を試みるのが典型的な該当事例であると言えよう。そのような場合、特別許可を得ていなければ、入国審査で追い返されることになる。

上記規定からだけでは適否を推定しがたい、微妙な事例もありうる。今回の自分の例がそうだ。今回のインド入国は、前回のインド出国から2ヶ月以内である。だが、前回の出国までは、学生ビザでのインド滞在であった。学生ビザでは2ヶ月ルールの適用を受けない。今回の入国は、その間に新たに得た観光ビザを用いてのものであった。

ビザに記された但し書きからだけでは判断が難しい。「2度目」の解釈次第なのだ。このビザで2度目、という意味であるならば、再入国禁止に該当しない。新たなビザでの1度目の入国であるためである。ビザとは無関係に、2ヶ月以内で2度目の入国、という意味であるならば、該当してしまう。前述のように、前回の出国から2ヶ月経っていないためである。

このように微妙な事例であったので、ビザ取得時(受け取り時)にビザセンターの職員に確認を行った。職員は、最初「2ヶ月以内だから2度目の入国はダメ」と言ったが、大使館に電話をかけて担当者に尋ねていた。すると、すでに自分のビザ申請をめぐる確認が大使館側では行れていたのだろうか、すぐに明確な回答が得られた。2ヶ月以内ではあるが、新しいビザでの1回目の入国になるので、2ヶ月ルールには抵触しない、とのことであった。

非常に明確な回答が得られたことによる安堵感はあったが、実際に入国審査を無事に通過できるかどうかへの不安は依然として残っていた。日本のインド大使館の判断としてOKであったとしても、インド側の入国審査官が異なる判断をする可能性もあるからである。

そのような訳で、今回の入国審査は若干の緊張を伴って迎えた。しかし、結局問題なく審査を通過できた。前回出国から2ヶ月以内であることに関しては何も言われなかった。むしろ、パスポート取得時の3年前と人相が若干変わっていること(主として眼鏡の有無による)のほうが、審査官の注意を引いたようだ。何度も顔を見て確認をしていた。

結論。学生ビザから観光ビザに変更して1度目の今回のインド入国は、前回の出国から2ヶ月以内であったが、まったく咎められなかった。

無論、同様の事例で同様の結果が得られるかどうかはわからない。一事例の結果報告に過ぎない。今回の事例のみから推論すれば、「2度目」は同じビザでの2度目を意味することになるが、この推論の真否は不明である。

また、同種類のビザ再発行では話は違ったものとなるだろう。おそらく、有効期限の残った観光ビザを再発行して2ヶ月以内の再入国をすることは認められないはずだ。それを認めてしまえば、2ヶ月以内再入国禁止ルールは有名無実化してしまうからである。
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7月10日、インド再上陸。

キャセイ(香港経由)で。

到着したデリーの空港は、綺麗な新ターミナルではなく、残念なほうの旧ターミナル。

民間タクシー会社のEasy Cabsのカウンターに並んで待ったが、ちょうど自分のところで車切れ。20分かかるって。待てません、そんなに。

なのでやむを得ず、いつもの残念な公のプリペイド・タクシーで。今回の運転手はいい感じの青年で、ボッタクリではなかった。

到着した小さなホテルは、外見は残念なのに、部屋の中はとても綺麗。改装したてっぽい。設備も上等。WiFiも快適(考えて見れば、こんなに早いWiFiはインドでは経験したことがない)。ちょっと(自分にしては)高いところにした甲斐があった。

場所もいいし、いいホテルを見つけたかも。
香港2日目。あまり時間はない。

朝は散歩。朝食は散歩途中に見つけた店で。

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柔らか麺。スープ。牛の腸の煮物?香醋タレ。パクチー。
スプーンだけで食べるものらしい。14$。

散歩の目的は本屋。『歩き方』に「香港のインテリ御用達」と書かれた辰衝圓書。しかし興味を引く本なし。無駄足に終わった。

中途半端に時間を持て余したので、ちょっと早めにチェックアウトを済ませて空港へ行くことにした。チェックアウトのときも、スタッフの態度が気にくわない。設備もロケーションもいいのだが、これではまた来たいと思えない。

ホテルからタクシーで九龍駅に行き、そこからはエアポート・エクスプレス。九龍駅までのタクシーの運転手は、今回の滞在で唯一英語の通じない相手だった。「エアポート・エクスプレスの九龍駅」まで行ってもらうはずが、「エアポート」だけ拾い上げられてしまい、危うく空港まで連れて行かれるところだった。

空港で暇つぶし。この空港なら時間を持て余さずにすみそう。空港物価と市価が同じ、ということを打ち出している。そもそも香港では物価が高く、空港ではとくに値のはる商品が多いわけだが、ハブ空港の振興政策としてはありだと思う。

まず昼食。焼きそばとビール。うまし。迷った末に断念した味千ラーメンは、また今度。

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エビ・鶏やきそば。ビール。100$。

フライトは、バンコク経由のデリー行き。ちなみに、バンコク経由だということは、この日のこのときまで知らなかった。知っていれば違うルートを選択していたと思う。多少は沈静化しつつあるとはいえ、政情不安定な時期にあえてバンコクを経由地には選択しない。バンコク経由のことは説明してなかったよね、HISの○○さん(怒)。

このフライトの機体は新しい。座席設備はJALのプレミアム・エコノミーのものと同じ。横は2-4-2の座席。座席間隔はふつうのエコノミーと同じくらいだと思う。ちょっと豪華な感じはするが、席を倒せないから嫌い。

バンコクまで2時間半ほどのフライト。慌ただしい機内サーヴィス。食事は軽食ではなく、しっかりとしたもの。中華。飲み物は白ワイン。うまし。

バンコクで一時着陸。乗り換えはなし。乗客の8割方はここで降りた。バンコクからの乗客は少なく、結果的に2割くらいの搭乗率となった。がらがら。

しかし客数が断然少ないのに、こっちのほうがうるさい。さすがインド行き。機内を飲み放題のバーくらいに思っている連中がいるのもさすが。周囲のターバン率も非常に高い(ターバンのみなさんは紳士的で、騒いでいるのは他の連中)。

また機内食。ちゃんとした食事。ベジ・カレー。辛し。とてもうまし。午後4時にして、これでこの日4回目の食事。しかも4回中3回が飲酒を伴う。食べ過ぎだ。

インド時間午後8時頃、IGI空港着。入国手続きはガラガラ。しかし荷物が出てくるのが遅いから意味なし。相変わらずのことだが。

多少両替もして、プリペイドタクシーで予約してあるホテルへ。いつものEasy Cabsはなぜかカウンターに人がいなかったので、やむを得ずのプリペイドタクシー。

このときのタクシー運転手が悪徳運転手だったわけだが、憎めない奴だった。

自分「~ホテルへ」
運転手「そこは大きくて高いよ」
自「そのホテル、知ってる?」
運「知ってる」
自「…」

ちなみに、そのホテルは小さく、安いホテルだ。
明らかに運転手はそのホテルを知らない。

自「とにかくそこ行って。予約してあるんだ」
運「~~ホテルなら安くていい部屋」
自「予約してあるんだって」
運「…」
運「~~ホテルなら安くていい部屋」
自「…」

自分と繋がりのあるホテルに連れて行ってコミッション(手数料)をとろうという、よくある悪徳運転手の手口だ。だが、あまりにも稚拙。やるならもっとうまくやれ。

運「インドは初めて?」
自「JNUの学生だ」
運「…」
運「インドは初めて?」
自「初めてなわけないだろ」

客のインド経験値に探りを入れるのも基本手口。どうやら、詐欺のための手口となるいくつかのフレーズを繰り出すだけで、そこから応用が効かないのだ。

そんなこんなでやりとりをしているうちに、コミッション狙いを諦めたらしい。ホテルの場所を聞いてきた。あんた、さっき知ってるって言っただろ。すると、今度は情に訴える作戦に出てきた。

運「結婚してる?」
自「いや」
運「自分は結婚してて子供もいるんだ」
自「よかったね」

子どもがいるからチップくれ、という愚論だが、こういうことを言うドライバーはよくいる。このあとも、短い距離の仕事で儲けが少ないんだ、とか、そんなことを延々と言っていた。

で、結局自分で道を指図してホテルまで辿りついた(もちろんその運転手は行き先のホテルを最初から知らなかった)。チップなどやらない。こういう不逞な輩がいるから、デリーの評判は悪くなるのだ。
ごめんなさい。香港1日ストップオーバーは純然たる観光目的です。こんな時期にすみませんでした。

誤るべき相手はこんなブログなど見ていないだろうから、意味のない謝罪だが。

今回のインド行きは、香港経由のキャセイパシフィック便(CX)で。あえて直行便ではなく経由便を使うのには、自分のスケジュールやゴールデンウィークとの関係もあるのだが、本音の理由はインド以外のどこかに立ち寄りたかったから。

せっかくなので、丸一日のストップオーバー。1泊2日の香港旅行。

成田から香港までの便は、5割くらいの搭乗率。短いフライトなので、珍しく窓際をチョイスした。富士山がくっきりきれいに見えて、ちょっと感激。エア・インディアのインド行きなら毎度ここで大騒動なのだが、この便では景色に目を向けている乗客は(見た限り)ほとんどいなかった。隣の客も、旅なれたOL2人組、みたいな雰囲気。

しかしCXは良い。実に良い。スタッフ良し。食事良し。空き具合良し(航空会社にとっては良くないことだが)。なんで今まで直行便にこだわってエア・インディアばかり使っていたのだろうか。

香港国際空港着。自分にとっては、初のインド以外の外国。そのため、今回の香港旅行は初の海外旅行みたいな感覚があった。

入国審査はけっこう混んでいた。しかもかなり入念なチェックをしている感じ。

空港から、快適なエアポート・エクスプレスで九龍駅へ。そこからは徒歩でホテルへ。地図を見てキョロキョロしながら、歩くこと20分ほど。地下鉄(MTR)佐敦駅真上のPrudential Hotelに到着。道は間違えずに来られたが、荷物を抱えてこの距離を歩くという選択は適切でなかった。毎度のことながら、初めての街では距離感がわからない。

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エアポート・エクスプレス車内。きれい。

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九龍駅。

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建設中。
 
『歩き方』曰く、このホテルは日本人客が多い。確かに多い感じ。チェックイン時の隣の客も日本人だった。館内表示は中国語・英語・日本語の三言語表示が基本。

ホテルの設備は新しそう。部屋も綺麗でいい感じ。インターネット利用も追加料金無し。しかしサーヴィスはどうも高級ホテルのそれとは大分違う。スタッフの態度が安い。チェックインから部屋まで荷物を運んでもくれないし。宿泊代はさほど安く(割引後価格で1泊12,000円くらい)はないのだが、設備が新しい分だけちょっと値が張るのか、それとも香港はこの値段でこのレベルが普通なのか。

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部屋の様子。

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部屋からの景色。
 
部屋でとりあえずメールチェックなどをこなしたら、早速街へくりだす。

中環。尖沙咀。佐敦。油麻地。廟街。有名どころを街歩き。

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観光地らしき何か。

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街はこんな感じ。

通りすがりの中華書局(@油麻地)という本屋では、専門に関する本を購入。読む(読める)かどうかわからないが、本はちょっとでも気になったら買っておくのが鉄則。

そこらじゅうに「足裏マッサージ」の看板があることからして、人気なのだろう。とくに日本語の看板が多い。興味はあったのだが、今回は利用せず。足の骨がまだ折れているので。

夕飯は、廟街のレストランで。エビのガーリック炒めと、牛肉チャーハン。それとビール。あまり安くなかったし(145$)、味もまあまあ。もっと刺激が欲しい。観光客向けの店なのだろう。

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チャーハンとエビ。まあまあ。

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ビールは味が薄い。

夜の部は、かの有名な夜景を求めて。地下鉄で中環駅に行き、そこからピーク・トラムという登山電車の駅までは歩く。登山電車(36$)でかなりの傾斜を一気に登る。山頂には大型複合観光施設。施設の展望台にたどり着くためには、土産物屋の前をさんざん歩かされて、さらに展望台入場料25$追加で払う。

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ピーク・トラム。
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乗る。

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帰りは大混雑。
でも早くハケる。

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気合の入った観光施設。

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エレベーターで登る。
 
しかし霧。夜景は見えず。終了。金返せ。

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霧に覆われる展望台。

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こんな感じの夜景。これでも頑張って撮ったほう。

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むしろ街で見上げる夜景が良し。
3泊5日の東京出張終了。

JALのデリー=成田直行便。エア・インディアとはやはり違う。(1)機内が日本。言葉も、人も、サーヴィスも。デリーから乗ったときに、飛行機に乗ったところから日本に帰った気分。(2)客層が違う。JALは日本人が多い。そして、年寄りが多い。(3)フライトアテンダントが違う。エア・インディアはおじさん・おばさん。JALは若い女性。ところでなんでJALのアテンダントは東南アジア系(?)が多いのだろうか。

行きはプレミアム・エコノミー席。帰りは普通のエコノミー席。

あんまり快適度は変わらなかった。というか、プレミアム・エコノミーのスライド式のリクライニングが体にフィットしなかった。ゆえに眠れず。帰りは狭い普通のエコノミーだったが、通路側で、となりが空いていたためか、気分的には楽だった。

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4月からJALのデリー=成田便にプレミアムエコノミー・クラスが導入される(参照)。

というので調べてみたら、なんか料金体系も4月から変わっていてよくわからない。エコノミーでいくらか足せば、プレミアムエコノミーにアップグレードできるという単純な話ではないみたいだ。変更はできるみたいだが、金額の差が大きい。

エコノミーは、ダイナミック・セイバーとかいう運賃体系が導入されていて、滞在日数によってずいぶんと運賃が違う。5日以内だと6万円。8日以内だと10万円。……2ヶ月以内だと20万円。という仕組み(参照)。

なんで短期だとこんなに安くなるんだろう。超短期出張なら、あのエア・インディアより安いんじゃないか?

ダイナミック・セイバーのプレミアムエコノミーだと、3ヶ月以内で24万円。まだ高い。

それでもプレミアムエコノミーはきっと需要があるだろうなぁ。エコノミーのデリー=成田間は苦行だし、ビジネス・クラスは高すぎるし。

自分にはもうしばらく縁がない話だが。
聞いた話。

今日(27日)正午出発予定だった成田発デリー行きAI307便が大変なことになっているらしい。

まだ出ていないらしい。

運航日変更。

×2。(いまのところ)

エア・インディア恐るべし……。
1月12日(火)、再び日本に向けてインドを発った。

今回もエア・インディアで。実はJALを使うつもりだったが、訳あってまたしてもエア・インディアになってしまった。

今回は幸いにして、ほぼ時間通りの運行。オンタイムの搭乗開始。やや遅れての出発。ちょっとだけ遅れての到着。前回はきっちり2時間ほど遅れたし、今回は霧がかなり出ていたので時間通りの運行などまったく期待していなかったが、予想をいい意味で裏切ってくれた。

しかし今回は混んでいた。見渡す限りにおいて、空席が無かった。デリー=成田間のエア・インディアでこんなに混んでいるのは初めての経験だ。旅行シーズンというわけでもないだろうに、なぜだろう。

曜日のせい?
(エア・インディアのデリー発成田行きは、現在、火・水・金・土の運行。日・月は連続でお休みになっている。)

オート・エキスポのせい?
(11日までデリー・オート・エキスポ2010が開催されていた。)

よくわからない。客層も多彩で、掴みどころがなかった。観光客が多いでもない。ビジネス客が多いわけでもない。

オンタイムであったのは非常に嬉しい誤算だったが、今回の旅路は機内の混雑と体調不良のためにかなりの辛かった。成田に着陸するころ、こうしたフライトをこれから何度も繰り返さねばならないのか、とちょっと憂鬱になった。

最後に、デリーから成田まで同行してサポートしてくれたO氏に感謝。
故障発生による、急遽の帰国。松葉杖をついての帰国の旅路。

故障発生当日に翌日の便を取ったはずが、何の勘違いか、まちがえてその2日後(故障発生から3日後)の便をとってしまったので、それほど急ぎの帰国という感じはしない。

帰国の足に選択したのは、エア・インディアの直行便。デリー=東京の直行便としては他にJALもあるが、エア・インディアのほうが安いし空いているので、特にこの混雑期でこの負傷状況なら、空いているエア・インディアだ。ランクはエコノミー。往復で約Rs. 30,000。さすがにこの時期は普段よりすこし高い。

寮から空港までは、Easycabsで。予約時に指定した時刻の20分前に来た。偉い。

空港ターミナル入り口。いつも無愛想な警官も、今回はこちらを気遣ってくれた。航空会社のカウンターで車椅子を借りなさい、とアドバイスをくれた。そうするつもりだ。

最小限とはいえ十分重い荷物を背負い、松葉杖をついて歩く。正直辛い。少し歩くと腕がつかれる。

エア・インディアのカウンターでチェックイン。松葉杖の状態のままで列に並んで待っていると、ある他の乗客が車椅子を持ってきてくれた。日本語を操る欧米系の女性。多謝。

列で自分の前に居たのは若い日本人女性1人。預け荷物をベルトコンベアに載せようとするが、重いらしく、手こずっていた。普段なら手助けをすべきところだが、今日はそれができない。それどころか、その女性の手続きが終わって自分の番になるとき、荷物持ちましょうか、と自分に声をかけてくれた(が、預ける荷物はなかったので断った)。今の自分が無力な存在であることを痛感。

チェックイン手続き。座席については、オンラインでのチケット購入時に指定しておいたので聞かれなかった。手続きの最後に、係員が「手助けが必要ですか?」と聞いてきた。もちろん。手回しできない車椅子に乗せられており、介助なしではどうにもならない。

しばらく列の横でそのまま待つ(その間、出国手続き書類を記入。もう慣れたもの)と、係員が1人来てくれた。車椅子を押してもらい、出国手続きカウンターへ。列をなして待っている人たちを追い越して、カウンターへ。しかし車椅子用のカウンターに職員がいなかったため、通路の中途半端な場所で待たされる。すぐに他のカウンターに呼ばれ、手続き。こうやって優遇されて悪い気はしない。

つぎはセキュリティチェック。ここでも別枠。クルーと車椅子の人用の場所があった。そこは空いていたので、列に並ばずさっさと手続き。荷物と杖をスキャン。そういえば、本来ラップトップは荷物から出さなければならないのだが、中に入れたままだったし、指摘もされなかった。

これで搭乗準備完了。また出発まで2時間近くあった。さて、これからどうすればいいんだ?

搭乗ゲートの近くまで車椅子で押してくれると言うが、それからずっとそこで待っていろというのか?だいぶ時間もあるので、トイレに行ったり、食事をしたりしたい。それらにずっと係員をつきあわせるのは悪い気がする。

なので、車椅子はここでもう結構。あとは杖で自力でなんとかする。ということにした。

しかしすぐにこの判断を悔いた。まずトイレに行ったのだが、その場所から最寄のトイレまではかなりの距離があった。荷物を背負って杖で行くのは大変であった。途中で休憩しながらなんとかたどり着いた。

ずっと座ってまっているのも気分的にしんどいので、ちょくちょく杖をついて歩いた。本当にいちいち大変だ。慣れればもっと楽に動けるようになるのだろうか。

そういえば、空港は徐々に進化している。今回は、マッサージのコーナーが新たに出来ていた。9月には無かったはずだ。

しばらくして、出発便の遅れが表示された。出発予定が1時間延びた。過去の経験から、嫌な予感。

そのままロビーで2時間半ほど待たされた。

その間、健常時は気付かなかったことに気づく。車椅子客の多さだ。インドには、「確かにその体形では歩けないだろうさ……」と思わせるようなマダムが多い。車椅子で運ばれてきて、搭乗ゲート近くの椅子に移され、そこで待っていた。ずっと係員が付いているわけではなかった。移動したい場合は呼べばいいのだろう。自分もそうすればよかった。しかし、まだそういうメンタリティーが身についていない。何というか、他人の手を煩わせるのが癪なのだ。

結局、自力で杖をついて搭乗も行った。列に並び、杖をついて歩いて乗り込んだ。もう腕が限界。

なお、利用する便がキャンセルとなるのが最大の懸念事項であったが、それは回避された。2時間ほどの遅れで出発となった。

機内の狭い通路を苦心しながら杖をついて進み、自分の席へ。通路前の前が開いた席を取ったはずだったが……?なぜか違う。通路側ではあったが、前後に座席のある席。事前に席を指定したのは何だったのか。自分のミスか、さすがエア・インディアということなのかはわからない。

杖は隣の席に立てかけておいたが、固定しないといけないらしく、キャビンアテンダントに注意された。窓際の席に移って窓際に杖を立てかけることを提案されたが、足元に横たえることで解決。3-3-3の座席配列の中央部3席を占拠した。自分だけがそうしたわけではなく、十分空いていたため、多くの他の乗客も1人で席を3つほど使っていた。

機内で面倒だったのは、通路が狭くて杖の使用が困難なため、動きがとれないことだ。機内での移動といえば、トイレくらいしかない。幸い、席からトイレまではすぐだった。3mくらい。なので、杖は使わず、片足で跳ねてトイレまで行った。

7時間弱のフライトで成田着。日本時間午前10時ごろ。

他の客をやり過ごし、最後に降りる。問題は、機体を出たところから車椅子を運んでもらうかどうかだ。何となく頼みそびれ、聞かれもしなかったので、結局そのまま自力で行くことになった。

誤算だったのは、ターミナル内の移動距離が想像よりも遥かに長かったことだ。ターミナルの一番端に到着していたのだ。途中休憩を挟みながら進んだ。何とかたどり着き、入国手続き、税関チェックを通過。税関チェックでは杖を見られた。

そこから先、特に困難は無かった。ちょうどすぐにリムジンバスがあったので、ほとんど待たずに済んだ。バスへの搭乗は職員が手伝ってくれた。そしてリムジンバスの終点には、親に車で迎えに来てもらった(これはいつもと同じ)。無事帰宅。

今回の教訓。無理をせずに、手助けを頼もう。
12月16日(水)

3日目のこの日は、夕方のフライトまでさほどやることがない。かなりゆとりのあるスケジュール。朝は遅めに起き、ホテルのレストランで朝食。ビュッフェ・スタイル。さすがTaj、という感じ。コーヒーもまとも。後でわかったことだが、朝食も宿泊料金に含まれていた。そうと知っていれば、昨日もホテルで食したのだが。

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朝には英字新聞だけでなく、日本語ニュースサイトのヘッドラインが届けられた。
右は外で買ったマサーラー味のバナナ菓子。
マサーラーの味が強すぎ、バナナの味がわからない。

11時ごろにチェックアウトして、オート(Rs. 30)で近くの観光スポットBibi Ka Maqbakaへ。

この移動の際、最初に声をかけてきたオートは、Rs. 100と言ってきた。今回の旅で、吹っかけられたのはこのときだけ。Tajから出てきているので多少高めに言ってくるのは仕方ないが、Rs. 100はいかん。こちらがインドに不慣れな外国人旅行者ではないと察するなりRs. 40まで下げてきたが、こちらの心象を害したのでアウト。他のオートを拾った。

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入り口。

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アーグラーのタージ・マハルさえ知らなければ、
十分にすごいと思えるのだろう。

208.JPG
中には墓。
 
アーグラーのかの有名なタージ・マハルのミニチュア版といった趣(「貧乏人のタージ」と言われているらしい)。タージ・マハルはムガル5代皇帝シャー・ジャハーン1世が妃のために建てた墓。ここBibiは、6代皇帝アウラングゼーブの時代に、その息子アザーム・シャーが母(=アウラングゼーブの妃)の墓として建てたものだ。

どうしてもアーグラーとの比較になってしまうので、建物それ自体の魅力には乏しい。観光地としてよりも、公園として地元の人々に親しまれているようだ。

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散歩している人も多い。
だが、日陰が少ないので、日中は散歩に向かないと思う。

次は、また近くのPanchakkiへ(オートでRs. 30)。水車の技術を誇るものらしいのだが、よくわからなかった。

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プールみたいになっている。

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説明文。(珍しく)まっとうな英語。

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モスク併設。

これにて観光終了。時刻は午後1時前。フライトは5:20。だいぶ時間が余った。

今回は2泊3日の旅程となったが、この地域の観光は1泊2日で十分だったようだ。早朝の便(Jet Lite)で来て、翌日夕刻の便(Air India)で帰る日程でも主要ポイントはカヴァーできる。あるいは往復ともJet Liteで、3日目の午前中には帰る日程も可。

Classic TravelのホテルであるHotel Classicでランチをとることにした。オートでRs. 50の移動。このとき、運転手が場所を把握していなかったので、メーターを倒して走り出した。しかしメーターが回らない。もしや、メーターが壊れているとか言って法外な要求をしてくるのでは、と嫌な予感。だが、純粋にただ壊れていただけだった。適正と思われるRs. 50を渡した。

アウランガーバード駅の近く、Hotel Classicのあるべき場所に到着。しかし存在していなかった。Rasa(?)とかそんな名前に変わり、しかも改装中だった。『ロンプラ』に書かれた悪評を払底するための改名だろうか、などと邪推してしまう。

ともかくそこ(旧Hotel Classic)のスタッフが改装中であることを教えてくれたのだが、ついでにレストランも教えてもらった。歩いて2分のTandorというレストラン。ローカルな、ちょっと高いレストランといったところ。日本語を発するスタッフ複数。ビール(バドワイザー)、タンドーリチキン、パニール・コールマ、バター・ナーンをオーダー(一人Rs. 400くらい)。店名からしてタンドーリチキンは期待していたのだが、いたってノーマル。むしろパニール・コールマがヒット。甘くておいしい。パニール・コールマとナーンを食べているのに、ハチミツ味のクレープを食べているような感覚。

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左上がパニール・コールマ。

まだ時間があったので、すぐ近くのスーパーVishal Mega Martで買い物。自分は靴下をまとめ買い。同行のO氏は何を血迷ったか、腕立て伏せ用の補助器具(push-up bar)を購入。確かに安かったし、デリーではあまり見かけないので気持ちはわからなくもないが…。案の定、空港のセキュリティ・チェックで見咎られ、実演を交えて説明する羽目になっていた。

まだ時間があったので、到着時に空港からの道で見かけたCafé Coffee Dayで時間をつぶしてから、ようやく空港へ。

218.JPG
空港に向かうオート・リクシャー。
シールたくさん。
そして、何故か耳あて(もちろん寒くない)。
怪我でもしているのだろうか。

帰りのフライトは、5:20アウランガーバード発予定、ムンバイー経由のデリー行きAir India便。やや遅れて出発。到着は午後10時過ぎ。ターミナルは混んでおり、タクシーを使うには待つ必要があったので、歩いて空港を出て道端のオート・リクシャーを拾って帰宅した。

[感想]

今回は、2泊3日のコンパクトな旅で、内容的にも無難だった。移動は飛行機と、車のチャーター(一部オート・リクシャーも使ったが)。ホテルは一流。コストを費やしたなりに、快適な旅となった。観光地のわりに、人が良く、不快な思いをさせられることがなかった。逆に、鮮烈な印象を受けたことも特にない。石を削った労力はすごいと思うが、それだけ。1度は見ておくべきものを見てきた、そんな感じだろうか。

遺跡はもういいかな、という気がしてくる。


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プロフィール
HN:
toshi
性別:
男性
自己紹介:
2008年7月から2010年5月まで、ジャワ―ハルラール・ネルー大学留学。
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